プレコンセプションケア(妊娠前の健康づくり)について
プレコンセプションケア(妊娠前の健康づくり)とは
プレコンセプションケア(Preconception care)とは、妊娠前の健康づくりであり、将来の妊娠を考えながら女性やカップルが自分たちの生活や健康に向き合うことです。あくまでも、妊娠を希望するかは個人の自由ですが、早い段階から適切な知識を得て、健康で質の高い生活を送ることは、人生の選択肢を広げることに繋がります。そのため、近々妊娠したいと考えている女性だけでなく、女性の健康を支えるパートナーや家族にも知っていただきたいことです。
1年後、5年後、10年後…どんな自分で、どんな生活をし、どんな人生を歩みたいですか？より健康的に生活し、より豊かな人生を歩めるよう、立ち止まって考えてみましょう。
プレコンセプションケア(妊娠前の健康づくり)の目的
1.若い世代の健康を増進し、より質の高い生活を実現すること2.将来にわたって、より健康になること
3.健全な妊娠・出産のチャンスを増やし、次世代の子どもたちをより健康にすること
健康でいるための生活習慣
□ 定期的に健診をうける生活習慣病やがんは、予防と早期発見・早期治療が重要です。わかば健診(19～39歳)や特定健診(40歳以上)を受け、ご自身のからだの状態を確認し、生活習慣を見直しましょう。また、対象年齢になったら子宮頸がん検診、乳がん検診、歯周疾患健診など定期的に受診しましょう。
□ 適正体重を維持する女性の「やせ」は貧血、無月経、月経不順、冷え性、低出生体重児の出産など様々な健康問題につながります。男性は30代から体重が増える方が多く、メタボリックシンドロームや糖尿病などの生活習慣病につながる可能性もあります。そのため、適正体重を維持するように心がけましょう。BMI(体格指数)で18.5以上25未満が適正体重と言われています。
※BMI(体格指数)＝体重(ｋg)÷身長(ｍ)÷身長(ｍ)
□ バランスのいい食事をとる
・野菜や海藻、豆・大豆製品をたっぷり食べる。
・魚料理を食べる。
・栄養バランスが整うように心がけ、１日３食しっかり食べる。
・塩分控えめにして、減塩商品を活用する。
・やせぎみの方（BMI１８．５以下）は、たんぱく質や炭水化物から先に食べる。
・腹八分目で肥満を防ぐ。
□ 適度に運動する1週間当たりの運動量は150分ほどが目安とされています。運動不足の人は、ストレッチやラジオ体操、スクワット、立っている時間や歩く時間を今より10分長くする等、できることをやってみましょう。
□ 睡眠をしっかりとる個人差や環境にもよりますが、理想的な睡眠時間は6～8時間と言われています。生活リズムを整えて、疲労をためないようにしましょう。
□ ストレスを溜め込まない過度なストレスは不安や抑うつの原因になります。ストレスを溜め込まないように、深呼吸する、よく寝る、音楽を聞く、おしゃべりする、美味しい物を食べる等自分なりの発散方法をたくさん見つけ、持っておくことが大切です。
□ アルコールは控えめにする飲みすぎは心身ともに悪影響を及ぼします。節度ある適度な飲酒量(1日平均の純アルコール量20g、女性は10ｇ以下)を心がけましょう。※純アルコール量(ｇ)＝1日に飲むアルコールの量(㏄)×100㏄中のアルコール度数(％)×0.8
□ 禁煙する・受動喫煙を避けるタバコは、がん・心臓病をはじめたくさんの病気を引き起こします。また、男女ともに不妊症のリスクが増加し、特に妊娠中の喫煙や受動喫煙は流産・早産・周産期死亡、低体重を引き起こす可能性があります。女性(妊婦)自身だけでなく、家族やパートナーの禁煙も大切です。自分の意思で禁煙が難しければ、禁煙外来の利用をお勧めします。
□ 感染症について知ろうご自身の母子手帳を見て、風疹などの感染症のワクチンに接種漏れがないかを確認してください。漏れがあれば妊娠前に保健センターか、かかりつけ医に相談しましょう。性感染症の中には不妊の原因になったり、赤ちゃんの健康に影響を及ぼす可能性があります。HIV(AIDS)や性感染症の検査、治療については、パートナーがいる場合は一緒に行うことが必要です。
プレコン・チェックシート 、 プレコンノートを活用しましょう
◆プレコン・ チェックシート (国立成育医療研究センター)もっと素敵な自分になるために、未来の家族のために、できることから始めて、1つずつチェック項目を増やしていきましょう。
◆プレコンノート(国立成育医療研究センター)
プレコンセプションケアのポイントを学びながら5つのプレコンＡｃｔｉｏｎ(今のからだとこころを知ることができる、生活を整えることができる、今の自分のからだをチェックしよりよくすることができる、かかりつけ医とつながることができる、ライフプランを立てることができる)を起こす準備ができます。18歳以上の人にぜひ読んで欲しいノートです。
相談窓口
◆岐阜県 女性健康支援センター（女性健康相談窓口）各保健所の「女性健康支援センター」において、専門職による相談を行っています。
◆岐阜県 不妊治療者支援事業（不妊・不育症相談センター）
専門のカウンセラーが不妊・不育症に関する相談を行っています。
◆スマート保健室(こども家庭庁)
若者の性や体の健康応援サイトです。からだや性・妊娠などの健康に関する正しい情報や専門家に相談できる窓口を探せます。
関連情報
◆プレコンセプションケアセンター(国立成育医療研究センター)プレコンセプションケアについて、幅広く情報発信しています。
◆女性の健康推進室ヘルスケアラボ(厚生労働省研究班監修)
女性の健康について、幅広く情報発信しています。