ビル・マンションのような3階以上の建物や一時に大量の水を使用するところでは、水道事業者から供給される水のみを水源とし、その水をいったん受水槽に貯めた後、ポンプや高架水槽などを使用して各蛇口へ給水している場合があります。
この受水槽から各蛇口までの施設全体を「貯水槽水道」といいます。
貯水槽の管理が不十分な場合、ゴミや異物の混入、さびの発生などによって、水が汚されるおそれがあります。
このため、貯水槽設置者は日常的な管理のほか、水槽の定期清掃を実施し、定期検査を受けることが義務付けられています。
貯水槽水道は、貯水槽の有効容量により、次のとおり分けられます。
簡易専用水道 | 簡易専用水道以外の貯水槽水道 |
受水槽の有効容量が10m3をこえるもの 水道法による管理義務 ・管理基準の遵守 ・登録検査機関による安全確認検査 |
受水槽の有効容量が10m3以下のもの 町条例による管理義務 ・管理基準の遵守 ・安全確認検査(努力義務) |
貯水槽水道の水質や施設の管理は貯水槽水道の設置者または管理者の方が行うよう義務づけられていますが、受水槽の清掃が不十分であったり、施設に異常があったりして、蛇口から出る水が濁ることや、においがすることがあります。
貯水槽水道の設置者(管理者)の方は、利用者の方が安心して水を使用できるよう日頃から適正に管理して下さい。
簡易専用水道の設置者は、水道法で定める貯水槽の清掃(毎年1回以上定期に行う)と点検を行い、厚生労働大臣の登録を受けた簡易専用水道検査機関で管理状況についての検査を受けなければなりません。
簡易専用水道以外の貯水槽水道の設置者は、条例で定めるところにより貯水槽の清掃、点検を行い、検査を受けるように努めなければなりません。
町条例による管理基準(簡易専用水道以外)
貯水槽の清掃 | 1年に1回以上定期的に受水槽などの清掃を行ってください。 |
貯水槽の点検 | 貯水槽の内外を清潔に保ち、水が汚染されないよう定期的に点検を行ってください。 |
水質の管理 | 各家庭の蛇口から出る水に異常を認めたときは、その状況に応じた水質検査を行ってください。 |
利用者への周知 | 供給する水が健康を害するおそれがあると知ったときは、ただちに給水を停止し、その水が危険であることを関係者に周知してください。 |
日常の管理について
- 水槽の周辺は清潔で整頓され、汚染の原因となるものは置いてませんか。
- 水槽にひび割れや水漏れはありませんか。
- 水槽内に沈殿物や浮遊物などはありませんか。
- マンホールの蓋は防水密閉型で鍵がかかっていますか。また、防水パッキンは傷んでないですか
- オーバーフロー管や通気管の防虫網はついていますか。また、傷んでいませんか
- 給水栓からの水に異常はありませんか
清掃(1年以内ごとに1回定期)について
- 水槽内の沈殿物、壁面などの付着物を除去してください。
- 清掃が終了したら、貯水槽内の消毒を行ってください。
- 自己清掃される場合は、衛生面に十分気をつけてください。
自分でできる水質チェック(日常的に)
無色透明なコップに蛇口から水を取り、次の項目をチェックしてください。
項目 | 異常の内容 | |
色 | 赤 | 鉄製の水槽や鉄製の管が腐食している可能性があります。 |
青 | 銅製の水槽や銅製の管が腐食している可能性があります。 | |
白 | 空気が入っているか、亜鉛メッキ鋼管が腐食している可能性があります。 (時間とともに透明になる場合は、空気(気泡)なので、問題ありません) | |
にごり | 水槽内が汚れている可能性があります。 | |
におい | 水槽が汚れているか、水槽に汚染物質が混入している可能性があります。 ただし、消毒液のような臭いは、滅菌するための塩素の臭いなので問題ありません。 | |
味 | 水槽が汚れているか、管が腐食している可能性があります。 |
飲用中止の周知 | ただちに給水を停止し、急いで利用者に事故の状況を知らせてください。 |
関係機関への連絡 | 岐阜保健所と上下水道課に連絡し、指示に従ってください。 |
事故処理の実施 | 汚染原因の除去と清掃・消毒作業を行ってください。 |
代替水の確保 | 近所や直結水栓から飲み水を確保してください。 |
再開前の最終確認 | 給水を再開するときは、水質検査などの安全確認をしたうえで行ってください。 |
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