悪質な事業者による「嘘偽の説明をする」、「困らせたり脅したりする」、「販売目的を隠す」などの方法で商品やサービスを購入させる販売を悪徳商法といいます。
悪質業者は、あらゆる手口を使って消費者をねらっています。このような悪徳商法から被害にあわないためにも、販売手口を知るとともにはっきり相手事業者に対して断る勇気も必要です。
点検商法
「消火器の点検に来た」「床下が湿っているようだ。放っておくと大変なことになるので調べてあげる」「無料耐震診断をしてあげる」などと、点検を口実に消費者宅を訪問し、「早く手を打たないとこのままでは危ない」と不安をあおり商品の販売や工事の契約をする商法です。
主婦や一人で自宅にいることの多い高齢者等に被害が多くなっています。不意に訪問して点検するという業者には注意しましょう。
特に、消火器点検や家庭用火災報知器点検については、「消防署の方から来ました」といって訪問することが多いですが、これは消防署のある方角から来たという意味で、決して消防署員が消防署の業務としてやってきたわけではないので注意が必要です。また、消防署ではそのような業務を行ってはいません。
睡眠(SF)商法
公民館やご近所の家の駐車場などを借りて、締め切った会場で、安売りや講習会の名目で人を集め、日用雑貨等を無料で配り、雰囲気を盛り上げて興奮状態にし、最後に高額な商品を売り付ける商法です。催眠商法とも言われますが、「新製品普及会」という業者が初めて行ったため、その頭文字をとってSF商法と呼ばれています。
キャッチセールス・アポイントメントセールス
商品の販売目的や役務の提供目的を隠して、あるいは有利な条件を強調して消費者に接触し、喫茶店や営業所などに連れ込んで契約を結ばせる商法です。
キャッチセールスの典型例としては、駅や繁華街の路上などで「アンケートに答えてください」とか「モデルをやりませんか」と商品の売買等の目的とは無関係な言葉をかけられ、それをきっかけに営業所などに連れ込まれ、話をしているうちに商品の売買に話が移り契約をさせられるといったものが挙げられます。
また、アポイントメントセールスの典型例としては、電話や郵便などで「○○に当選したので来てください」といった口実で喫茶店や営業所に呼び出され、契約をさせられるといったものが挙げられます。
デート商法(恋人商法)
異性を電話等により呼び出したり街頭で声をかけたりして接触し、会話を交わしていく中で、相手の恋愛感情を巧みに利用して高額な商品等を契約させる商法です。最近では、携帯電話の普及によって被害が増加する傾向にあります。最近では、出会い系サイトで知り合った異性が販売員だったというケースや、電話がきっかけでメールをやり取りするようになり、実際にあったところ販売員だったという事例が目立ちます。
見知らぬ異性からの電話には、商品等の購入の誘いではと疑ってかかるくらい慎重になるべきです。また、相手が優しく親切なのは商品等を売るための手口です。その場の雰囲気に流されず、しっかりとした冷静な判断を行うことがきわめて重要です。
資格講座商法(士(さむらい)商法)
「受講するだけで資格が取れる」「あなたはこの資格を取らなくてはなりません」などと言って、公的資格や民間資格を取得するための講座を受けるよう勧誘する商法のことです。資格には「士」の文字がつくものが多いので士商法ということもあります。
手口としては、
- 職場等へ執拗に電話をかけ、セールストークを用いて強引な勧誘を行います。
- 考える時間を与えず、電話口で強引に応諾の決断を迫り、「いいです。」といったどちらとも取れるような曖昧な返答が帰った時は契約の成立を主張します。
- その後直ちに契約書、クレジットの書類を送りつけ、代金支払いを迫ります。
内職・モニター商法
自宅などで簡単な仕事をするだけで高収入が得られるなどと言って電話等で勧誘し、その仕事をするのに必要だと言って高額な商品を購入させる商法ですが、結局仕事は提供されず、商品の代金支払いだけが残るといった被害に陥ることがほとんどです。
- こうした商法の典型例としては次のものがあります。
- パソコンやワープロを使用して自宅で簡単にできる仕事があるという広告で誘われた消費者から講習料や登録料を取ったり高額なパソコン等を購入させたりするが、実際はほとんど仕事を与えない。
- チラシを配るだけで高収入が得られると宣伝し、大量のチラシを高額で買わせるが、配っても実際にはほとんど収入がない。
- 内職講習会と称して多額の受講料等を取った上、委託した仕事については種々の条件をつけて買いたたいたり、仕上がり具合を問題にして買い上げを拒否したりする手口(ステンドグラス内職、アクセサリー工芸内職等)や、相当の工賃収入を得られると宣伝し、高額な機械を市価の倍ぐらいの価格で売りつけるものの工賃はまったく支払われない。
送りつけ商法(ネガティブ・オプション)
1.本当に注文した覚えがないのか、本人に限らず家族や友人等にも確認しましょう。(心当たりのない商品が届いたとの相談の多くは、誰かからのプレゼント、注文した商品が遅れて届いた等、送り付けではないケースがほとんどです。)
2.上記に当てはまらない場合には、※送り付け商法(ネガティブ・オプション)として、
・届いた商品は直ちに、処分することができます。
・事業者から支払い請求されても支払う義務はありません。
※注文していないにもかかわらず、金銭を得る目的で一方的に商品を送り付ける商法です。
3.代引きで荷物が届いた場合
・商品の受け取りや支払いをしない。
・家族宛の場合等受け取るべきか判断できないときには、送り元の情報を控えたうえで配送業者に事情を説明して、荷物を一旦持ち帰ってもらいましょう。
・誤って金銭を支払ってしまったらすぐに、消費者相談窓口に相談しましょう。
マルチ(連鎖販売取引)商法
販売組織の加盟者が消費者を組織に加入させ、さらにその消費者が別の消費者を組織に加入させることを次々に行うことにより組織をピラミッド式に拡大していく商法のことです。
連鎖販売取引は利益が得られることをもって消費者を販売員に勧誘し、さらにその販売員が他の消費者を販売員に勧誘するというように、次々に消費者が販売員となって組織を拡大していくものです。この商法の問題点は、販売業者、販売員が極端な一部の成功例を引用して多大な利益が容易に得られるかのように消費者を信じ込ませたり、製品の優秀性を過度に強調したりする、また、友人や親戚を販売組織に加盟させようとする行為などがトラブルとなることが多いようです。