2021年9月(大谷選手の活躍)
アメリカメジャーリーグ大谷選手の活躍が伝えられています。投げては160キロの豪速球、打てば特大ホームランと見事な「二刀流」での働きぶりです。筋骨隆々の大きな外国人に力負けせず、真っ向勝負で結果を出しているところは大谷選手が日本人を熱狂させる理由のひとつだと思います。
特筆すべきは、プレー以外でのふるまいについてです。ファンのみならず相手チームや審判に対する態度など、大谷選手の紳士的なふるまいが好意的に報じられています。勝負以前に礼節を重んじる姿勢が世界的にも評価されていることは、日本人としてとても誇らしく思います。
さて近年、日本のスポーツ界の古い体制が否定的に報道される傾向が強いように感じます。もちろん、かつての部活動のように「先輩の命令は絶対だ」などという理不尽な考え方は間違っていると思いますが、だからと言ってその全てを否定することはできないと思います。日本ではスポーツ全般において、単に技術の向上を目指すのではなく、併せて精神的な修養を目的としていると思います。技術の向上のみを考えるなら合理的ではないかもしれませんが、スポーツを通して、礼節を重んじ、他者を気遣う姿勢を学ぶという考え方は、決して間違っていないと思うのです。
先日、東京オリンピックのとある競技では、日本人選手とコーチがまるで友達のようにお互いをあだ名で呼び合う関係だとの報道がありました。正直なところ、これには違和感を覚えたのですが、これからの社会では相手の意見の一部に同意できないからと、その全てを否定するのではなく、お互いよい部分は素直に認め合い、柔軟に受け入れられるような姿勢が大切なのではないでしょうか。