2022年8月(良い物価高と悪い物価高)
各種食料品や電気などエネルギー関係を中心に、物価高の傾向が続いています。この原因としては、長らく続くコロナ禍の影響、ロシアの軍事侵攻、急激な円安傾向などが考えられるようです。これに対して政府は、子育て世代や困窮世帯向けの給付金支給事業のほか、食料品や電気料金などの価格抑制策などを打ち出して対応することとしています。
ところで、普段から経済ニュースをチェックしておられる方は、もともと日本は長く物価が上がっていなかったので、日銀が超金融緩和政策を実行したはずだ。その際に2%という目標値設定をしてまで物価を上げようとしていたのではなかったか、と思われたかもしれません。しかし、今の物価高は政府が目指していた、いわば「良い物価高」ではないのです。
物価が上がることにより経済が活性化し、それに連動して賃金が物価以上に上がって経済成長がさらに続く状況、これが「良い物価高」です。しかし、現在の物価高は経済成長とは関係なく、原油高などの外的要因により発生しているため、物価は上がるのに賃金は上がらない、という「悪い物価高」の状況にあるのです。このような状況を経済用語では「スタグフレーション」といいます。
さて、北方町では、現在の物価高に悩まされる皆さんを、少しでも助けるために「北方町生活応援商品券」を販売することといたしました。特に高齢者を手厚く援助するため、65歳以上の方は一人につき1万円分を無償交付します。今後も経済情勢がどのように変化していくのか、なかなか見通しができない状況ですが、今回の商品券事業が少しでも皆さんのお役に立てば幸いです。
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