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町長の部屋
町長のつぶやき2023年度

2023年11月(プラごみ問題)

近年、プラスチックごみの海洋汚染が国際的な問題となっています。プラスチックはその性質上、分解されて自然に還ることはありません。そのため、ごみの量は年々増え続け、魚が誤飲したり、海鳥の体に巻き付いたりするなど、自然環境や生態系への悪影響も増加しているようです。
このような事態を受け、プラごみ汚染を国際的に規制しようとする多国間交渉が行われていますが、なかなか話がまとまらないようです。要は、単にプラスチック製品の生産量を抑制するだけではなく、ごみ処理を適切に行わないと海洋汚染はなくなりませんが、そこにプラ製品を大量生産する先進国と、ごみ処理がずさんな途上国との利害関係が絡んで、問題が複雑化しているようなのです。
さて、数年前の町民対話集会にて、交通安全対策として町内各地に横断歩道の増設を求める意見がありました。しかし、ある方が「いくら横断歩道があっても車が止まらなくては意味がない。まずは交通マナーを啓発することが大切だ」と発言され、思わず膝を打ったことがありました。最近は、横断歩道でしっかり止まるドライバーが増えてきましたが、結局はどんな交通設備よりも個人のマナーの方が大切だということです。
大きな国際問題となったプラごみ問題ですが、生産量の抑制とか、処理施設の増設だけでは、本質的な解決策にはなりません。つまるところ、世界各国の人たちが、環境保全の意識をもって、適切なごみの取り扱いを心がけることこそが大切なのではないでしょうか。難しく考える前に「自分が出したごみは自分で片付ける」という、当たり前のマナーをみんなが実践することが、一番の解決策だと思うのです。