2024年9月(パリ五輪に思う)
大いに盛り上がったパリオリンピックが終了しました。始まる前は、前回の東京大会よりも、盛り上がりに欠けるなあと思っていましたが、やはり実際の競技が始まれば、日本人選手の活躍ぶりや結果が気になり、テレビから目が離せなくなったという方も多いと思います。
オリンピックのよいところは、国民が一致団結して選手を応援することで、一体感や連帯感が発揚されることです。それぞれの事情は違えど、選手たちはいわば人生をかけて、一生懸命に競技に取り組んでいます。私たちも、選手の血のにじむような努力が垣間見えるからこそ、自然と応援したくなるのだと思います。
ところで、残念なことに、本題とは違う部分で盛り上がってしまったのが、先の東京都知事選挙です。冷やかしまがいの立候補、選挙と無関係な内容のポスター掲示、誹謗中傷や脅迫まがいの妨害行為など、果たしてこれが一国の首都である大都市東京の首長選挙なのかと、我が目を疑いました。
都知事選挙の件は、法令上の不備に起因するという意見もありますが、本質的には、社会全体のモラルの低下が原因だと思います。かつては、「悪い事をしてはいけない。お天道様は見ているよ。」などと諫められたものです。しかし今は、自分さえ良ければいいと、他人を批判したり傷つけたりするような、規範意識に欠ける人が増えたように感じます。極論を言えば、現代社会において心から他人を応援できる機会は、もはや4年に1度のオリンピックしかないのかもしれません。そう感じてしまう世の中とは、とても切ないものだと思いませんか。
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